黄昏の船着き場にて

風の吹くまま気の向くままに

人生の休憩所―京都(二・三日目)

11月11日

滅多にないような心地よい眠りから目覚めて、ゲストハウスの一階へ降りる。

昨日買っておいたフレンチトーストをトースターで温め、紅茶を淹れて炬燵に足を入れる。ふと、自分の家のようにリラックスしていることに気づく。

京都旅行二日目、真っ先に目指すは貴船神社だ。

 

千本今出川からバスに乗って出町柳駅を目指す。慣れない土地ではバス停や駅の位置関係が分からないため、事前に京都の公共機関マップを印刷して持参していたが、非常に役に立った。

 

京都観光Navi:京都公共交通マップ

 

出町柳から比叡電鉄に乗り込み、貴船口で下車。貴船口から貴船神社まではバスが出ているようだったが、私は日ごろ運動不足なこともありハイキングを兼ねてゆるやかな山道を徒歩で登ることにした。

 

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美しい参道。街中よりも紅葉が進んでいた。

 

山道を歩くこと20分くらいだっただろうか、ようやく貴船神社の参道が見えてきた。石段を上った先から撮った写真はいかにも京都感満載で気分が高揚した。あぁ、京都に来たんだなと改めて実感。

 

参拝を済ませ、有名らしい水占みくじに挑戦してみた。先日の平安神宮で久々の大吉を引けたことで調子に乗っていたせいか、あまり良い運勢ではなかったが、文字の浮き上がるさまを見るのはワクワクした。

 

途中で「思ひ川」を渡って奥宮へ。貴船神社は昔から縁結びの神をまつる神社として名高く、和泉式部も訪れたことがあるそうな。

それが理由かはわからないが、女性の参拝者が多いように思った。

 

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趣味の一つである御朱印集め。柔らかい筆跡が印象的だ。

 

預けておいた御朱印帳を受け取り、思ったよりも時間に余裕があったため、ついでに鞍馬寺に行くことにした。

本来であれば貴船神社から鞍馬寺までは参道がつながっており歩いて行けるそうだが、この時は台風21号の影響で通行止めになっていたため、山道を下り再び比叡電鉄に乗車した。

 

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くらまラーメン。観光地にありがちなネーミングだが、汁が甘めで好みの味だった。

 

鞍馬で下車し、好い頃合いだったのでそのあたりのお土産屋さん兼食堂でラーメンを食べた。特に何も期待していなかったが、全体的にあっさりした味付けながらも甘みのある汁が好みであっというまに平らげてしまった。

 

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鞍馬山からの眺め。かなりハードで何度も休憩をはさんだ。運動不足を痛感。

 

牛若丸こと源義経が天狗と修業したという伝説で有名な鞍馬山。実際に上ってみると道が曲がりくねっているうえにかなり傾斜がきつく、こんなところで修業したらさぞかし強くなるだろうなぁ……なんて思いながら、やっとの思いで登り切った。こんなにきついならケーブルカーに乗ればよかったかな、と少し後悔。今ではいい思い出である。

 

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途中の由岐神社と本殿の御朱印。神社より寺のほうが筆跡が力強いものが多い。

 

寺社巡りはこれくらいにして、そろそろ街中へ。SNSを通じて仲良くなった方からおススメされた恵文社を目指す。

 

恵文社一乗寺店

 

ホームページによると、恵文社は「本にまつわるあれこれのセレクトショップ」だそう。普通の本屋で取り扱いのある雑誌や新書から、ZINE(リトルプレス)や雑貨まで、本だけにとどまらない、興味の幅を広げてくれるようなものが所狭しと並んでいた。本メインのフロアだけでなく、ギャラリーや生活雑貨のフロアもあり、ついつい長時間滞在してしまった。迷った末に文庫本一冊とCD、雑貨を購入。

私の友人たちなら絶対好きなお店だろうから、ぜひ連れていきたいと思った。

 

道すがら興味をひかれる店名のカフェや雑貨屋があったが、欲望を抑えて「ぱんのちはれ」でパンを購入するのみに至った。これで明日の朝もパンが食べられる。

 

一乗寺を離れて次は河原町へ。

 

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有名な鴨川のカップル等間隔の法則。確かになんとなく一定の距離で座っているような。

 

私は森見登美彦の小説を愛読しているため、駅を降りて鴨川が現れたときは思わず「あぁ!これがあの鴨川か」と一人でニヤニヤしてしまった。

 

ソワレ - 河原町/喫茶店 [食べログ]

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ヨーグルトポンチ。生クリームが嫌いなのでクリーム抜きでお願いした。

 

河原町へ訪れたのは、どうしても行きたい喫茶店があったからだ。その名も喫茶ソワレ。青い電飾に照らされたレトロな建物の中、宝石のような色とりどりのゼリーポンチをいただける。関東にあったら間違いなく月一で通っている。

ちょうど日曜日の昼下がりだったため入店まで少し並んだが、並んだ甲斐があった。カップルの皆さん、京都の初デートはぜひここで。普段より少し小さな声で、哲学的な話をするのが良いでしょう。あぁいけない、妄想が捗ってしまう。この辺でよしましょう。

 

日が暮れるまで河原町周辺をぶらぶらして、満足気に帰路へ。今回泊まったゲストハウスは中心地から少し離れているため、アクセス面はどうなのかなと少し不安に思っていたが、京都はかなりバスが発達しているため杞憂であった。

 

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蛸虎のたこやきと宿泊者の方からもらった柿の葉寿司。たこ焼きおいしかったなぁ。

 

木音に戻ると今日から滞在する宿泊者の方と仲良くなり、たこ焼きを買って皆で談話することに。今までの旅の話で盛り上がり、話を聞けば聞くほど行きたいところが増えていった。

 

11月12日

 

楽しいひと時を過ごしたゲストハウス「木音」ともお別れの時間がやってきた。昨晩盛り上がった方とノリと勢いでツーショットを取り、宿を後にした。

先日ハードに山登りしたせいで少し筋肉痛になっていたので、今日はゆっくりと京都を散策することにした。

 

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平野神社。桜の名所である。十月桜が咲いておりほのかに甘い香りがする境内。

 

まずはゲストハウスの近くにある平野神社に行くことにした。大きな神社と比べるとこじんまりとした境内だが、境内より大きな敷地に沢山の桜の木が植えてあり、春に訪れれば夢のようなのだろうなと思わずにはいられなかった。紅葉の京都もいいが、桜咲き乱れる京都も憧れがある。

 

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北野天満宮に奉納されている、源氏の重宝髭切。兄者!

 

つづいてお近くの北野天満宮へ。目当てはもちろん髭切である。刀剣乱舞と盛大なコラボを開催しており、朝から多くの人で賑わっていた。髭切をイメージした生け花まであり、彼は刀剣界のハリウッドセレブだ…!というどうでもいい感想が思い浮かんだ。

 

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麗しき宗三左文字。前に並ぶ方も写真を撮っていた。

 

続いてバスで移動し織田信長を祀る建勲神社へ。左文字兄弟や日本号のイラストを描いた鈴木次郎先生のサインと色紙が飾られていた。御朱印を書いていただいた住職さんも「最近は若い女の人たちが大勢来るんだよ~」とおっしゃっていて、刀剣乱舞の人気は飛ぶ鳥を落とす勢いだなぁと改めて実感した。

 

社務所の前で知り合った方に刀剣乱舞の説明をしたら、お勧めしたいものがあると近くの炙り餅屋へ連れて行ってくれた。

 

かざりや - 北山/和菓子 [食べログ]

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親指くらいの大きさの炙り餅。白みそダレが食欲をそそる。

 

今宮神社の近くまで歩いて炙り餅を食す。案内してくれた方は持ち帰りだったのであいさつをして早々に分かれたが、親切で良い方だった。

今になって気づいたが、白みそを食べたのはこれが初めてかもしれない。関東ではめったに白みそ味のものを見かけないため、貴重な経験が出来た。甘めのみそってなんでこんなにおいしいのだろうか。私の中の死ぬ前にもう一度食べたいものリストに追加された。

 

せっかくなので今宮神社に参拝し御朱印を頂き、そのあとは大徳寺周辺をぶらぶら歩いた。きれいな庭をしばし散策し、すっかり満足したもののまだ帰りまでには時間があったため、映画を見ることにした。

 

アップリンクやシネマリンなど、町のミニシアターが好きなので、京都にもそのようなところはないかと探すと出町柳に「出町座」というシアターを発見した。

 

demachiza.com

 

時間的にちょうどよかった東出昌大主演の『寝ても覚めても』を鑑賞した。テレビを滅多に見ない生活をしているため、東出昌大は正統派な役ばかりのイメージがあったが、この映画では彼の違った一面が見られて発見があった。役によって顔まで違って見えるから、役者という人たちはすごい。

朝ちゃんみたいに何もかも捨てて愛を選択することは、私にはできないなぁと思ったり。あんまりすっきりした後味の映画ではないが、展開が読めず興味深い話だった。

 

netemosametemo.jp

 

すっかり満足してあとは新幹線の時間に合わせ京都駅へ向かうだけ。しかしこの後ちょっとしたハプニングが起きた。交通渋滞で駅へ向かうバスが遅延したのだ。おかげでろくにお土産を買えなかったが、旅に不測の事態はつきものである。それもまた醍醐味だと思い楽しむことが出来た。

 

まとめ

かっちりした計画を立てずにいった京都だったが、結果的に大変満足のいく時間を過ごせた。天候に恵まれ、宿に恵まれ、人の縁にも恵まれ……満足しすぎてしばらく京都に心を置き去りにしてしまったぐらいである。今回の旅は一人だったが、次は是非とも桜の季節に友人と訪れたいと思った。