西日本終末旅行記⑤山口編2
職さえあれば今すぐにでも山口県に移住したいんですけどね。まずは自動車免許取らなきゃ。
さて、本編スタートです。
3月10日
7時ごろに目覚める。温泉のおかげか身体が軽い。身支度をして朝食を頂く。有りがたいことに部屋食だったので、ゆっくりと食べた。
なんだかんだこういうご飯が一番好きだし、一番うまいと思っている。味噌汁に使われている味噌は色が白っぽく優しい味わいだった。
宿の一階に見慣れた大きさの薄い本があったため、おやおや?と手に取ってみると『孤独の輪行』(拝御礼著)という自転車で温泉街を回るという趣向の同人誌だった。それを読むと、どうやら近くに小さな本屋があるらしい。俵山温泉との別れを惜しみつつも、鹿の親子と出会った道を上り、山道を進んだ。
本当にこんなところに本屋なんてあるのか?と疑うような民家一つない山道を進んでいくと、ようやく一見の古びた建物が見えた。駐車場らしき場所にロバのモチーフのついた杭が一本。まちがいなく「ロバの本屋」だ。
猫と犬がそれぞれ一匹ずついる小さな本屋で、店内に入ると猫ちゃんと店主があいさつしてくれた。ラインナップは人を選ぶかもしれないが、私にとっては買いたい本だらけで熱心に本を選んだ。散々悩んだ末『自作の小屋で暮らそう』『給水塔』の二冊を買い、窓辺のスペースで本を読みつつスープとパンを頂いた。
黒豆とごぼうのポタージュに、アンチョビチーズ・クリームチーズ蜂蜜のトースト。やさしく染み渡る味わいだった。
なんだか居心地が良くて、3時間以上滞在してしまった。近くにあったら絶対に通うのにな。
あったかくて眠くなってきてしまったところを先輩に激写された写真。
謎の手書きおみくじがあり、一枚引いてみたりもした。結局これはなんだったのだろう。いまだに私の手帳に挟まっている。
ロバの本屋を後にし、近くにある雑貨屋さんを目指した。